■ ジオノ作品の舞台を訪ねて
商品コード: 978-4-7791-2323-8
(ヨミ: ジオノサクヒンノブタイヲタズネテ)
山本 省/著
〈発売日:2017/5/10〉
四六判・並製、272ページ
(サイズ:188×128×17mm)
定価 2,500+税
内容紹介/目次
小説で描かれた場所に行けば、作品の秘密が分かる
というわけではない。だが、ジオノがさまざまな土地を
利用したのは、その土地が醸し出す雰囲気が
物語の情景に打ってつけだ、と考えたからだろう。
ジャン・ジオノ(1895―1970)は生涯を
南仏マノスクで暮らした。
マノスクはオート=プロヴァンス県の最南端に位置して
いるため「プロヴァンス」と称されることもあるが、
地中海岸のマルセイユやアルルのような町とは
大きく異なっている。
「ばかげたプロヴァンス人像をでっちあげて
ほしくないのです。法螺吹きで、ペタンク好きで、
パスチス愛飲家というプロヴァンス人はたしかに存在します。
しかし、そういう人間は少数派なのです。
そういう人物像をあまり強調してほしくありません。
注目すべきはもっと別の人物像です。
もっとラテン的で、もっと人間的で、もっと謎めいた
プロヴァンス人なのです。
そういう人物はバス= プロヴァンスより
オート= プロヴァンスにはるかに多くいるということを
私は知っていますが、バス= プロヴァンスでも、
そうした人物はやはり見かけられます。
彼らは見かけよりずっと頑健です。
……プロヴァンス人なら、自分の故郷をもっと高尚に
解釈し、もっと正当に解釈する必要があります。そして、
プロヴァンスをはるかに正当に評価するようになれば、
プロヴァンスは高尚なのだという解釈が
生まれてくることになるのです」(ジオノ談)
村や町、そして高原を訪ね、景色を眺め、大気に接する
と作品が身近に感じられます。
実際にはプロヴァンスまで行けない方に
ジオノ作品の引用や写真を見て楽しんでいただいて、
いずれ現地に行っていただければと思います。
序 ジャン・ジオノと南仏オート=プロヴァンス
1 マノスク
2 バノン
3 ル・コンタドゥール高原
4 ルドルチエの廃墟
5 ヴァランソル高原
6 ル・トリエーヴ
7 サン= ジュリアン= アン= ボーシェーヌ、ボミューヌ
8 ヴァシェールとレイヤンヌ
9 デュランス河
10 マルセイユのル・フォール・サン= ニコラと
サン= ヴァンサン= レ= フォール
11 ラ・マルゴット
12 モンジュスタンとナンス
13 コルビエール
著訳者プロフィール
山本 省/著
(ヤマモト サトル)
やまもと・さとる
1946年兵庫県生まれ。信州大学名誉教授。
京都大学大学院文学研究科博士課程中退。
主な著書に『ジャン・ジオノ紀行』(彩流社)、
主なジオノ作品の翻訳に
『喜びは永遠に残る』『世界の歌』(河出書房新社)、
『木を植えた男』『憐憫の孤独』(彩流社)、
『丘 (岩波文庫)』(岩波書店)等がある。